SNSアルゴリズムを理解しないと成果が出ない理由|経営層と現場のズレ
- 2 日前
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SNS運用を継続しているのに、再生回数や問い合わせが増えない。こうした企業では、担当者の制作能力ではなく、現場と上司・経営層の認識のズレが原因になっていることがあります。
SNSを理解している担当者が明確な狙いを持って企画しても、上司が一般的な広告やブランディング動画の基準で修正すると、SNS上では見られにくいコンテンツに変わってしまうのです。
現場の企画が「自社商品の広告」に変わった事例
ある企業では、現場担当者が「2026年に買ってよかったものベスト10」というショート動画を企画しました。ユーザーが興味を持ちやすいランキング形式の中に、自社商品も自然に登場させる設計です。
しかし、上司や経営層からは「他社の商品を宣伝しても仕方がない。すべて自社商品の紹介に変更するように」という指示が入りました。その結果、ユーザー向けのランキング企画が、自社商品だけを紹介する広告動画に変わってしまいました。
多くのユーザーは、企業の宣伝を見ることを目的にSNSを開いているわけではありません。企業が伝えたい情報だけを並べても、ユーザーが続きを見たいと感じなければ、再生は広がりません。

SNS用の採用動画がブランディング映像に変わった事例
別の採用コンテンツでは、社員が一問一答に答える様子をスマートフォンで撮影し、カジュアルなショート動画として発信する予定でした。
ところが上司から、もっと立派で企業イメージがよくなる動画を作るように指示が入りました。社屋の映像、笑顔で働く社員、パソコンを操作する場面などを使った、きれいな会社紹介映像です。
このような映像は、企業サイトや会社説明会で見てもらうブランディング動画としては有効です。しかし、興味を持っていないユーザーの画面に突然表示されるSNS動画では、同じ評価になるとは限りません。SNSでは映像の豪華さよりも、表示された瞬間に「続きを見たい」と思ってもらえるかが重要です。

約300再生で止まり、冒頭で約90%が離脱
実際に上司の指示を反映した動画は、約300回の再生で止まりました。Instagram、TikTok、YouTubeの各分析画面で視聴者維持率を確認したところ、冒頭で約90%が離脱していました。

3つの媒体で同様の傾向が確認され、最初に動画を見たユーザーの反応が弱く、その後の露出が広がらなかったと分析できます。BANLIがこれまで支援・分析してきた事例では、初期反応がよい動画は、その後も露出が広がり、少なくとも数千回、そして数万回と再生される傾向がありました。
ただし「数千回未満なら必ず失敗」という全媒体共通の基準があるわけではありません。アカウント規模やテーマ、対象者によって評価基準は変わります。
YouTubeも、コンテンツの評価を、見ようと思ったか、見続けたか、満足したかという観点で説明し、特に動画の冒頭が重要だと案内しています。YouTube公式情報もあわせてご確認ください。
TikTokも、視聴完了を含むユーザー行動などを推薦に利用していると説明しています。TikTok公式情報に詳しい説明があります。
SNS運用で成果が出ない企業の5つの共通点
1.現場と経営層の評価基準が違う
現場は視聴維持率やユーザーの反応を重視します。一方、経営層は映像の見栄えや、自社の宣伝内容が十分に入っているかを重視する傾向があります。
2.開始時の熱量を維持できない
準備段階では多くの時間と人員を投じても、運用に慣れるとマンネリ化し、投稿の質や検証頻度が下がっていきます。
3.SNSの成果が社内評価に含まれていない
SNS運用を承認しても、その成果が担当者の評価対象に含まれていないケースがあります。担当者は、SNSを頑張っても評価されないと感じ、次第に優先順位を下げてしまいます。
4.アルゴリズムを理解せず投稿を量産する
熱意を持って毎日投稿しても、視聴者が見たい内容や冒頭の離脱を意識していなければ、成果につながらないコンテンツを増やすことになります。
5.本業の片手間で運用する
SNS運用には企画、撮影、編集、投稿、分析、改善が必要です。毎回5分、10分だけ更新する運用では、十分な検証と改善ができません。

必要なのは現場と経営層の対決ではない
現場案と経営層案を両方投稿し、数字で優劣を決める方法は、一見すると合理的です。しかし実際の企業では、現場が経営層に対抗しているように受け取られ、関係悪化や忖度を生む可能性があります。
必要なのは、現場と経営層が共通の前提を持つことです。経営層も、SNSのおすすめがどのように決まり、視聴者の行動が配信にどう影響するのかを理解する必要があります。
経営層向け研修で伝えるべきSNSアルゴリズムの考え方
研修では、オールドメディアとSNSの配信構造の違い、視聴維持率やユーザー反応が重要な理由、企業が伝えたい情報とユーザーが見たい情報の違い、広告動画とSNS動画の役割、確認すべき分析指標、現場に任せる範囲を共有します。
テレビ、新聞、出版社、SNSなどのメディアは、いずれも一人の消費者の可処分時間を奪い合っています。この構造を理解すると、企業が伝えたい内容を詰め込むのではなく、ユーザーが時間を使いたいと思うコンテンツを作る必要性が見えてきます。

BANLI代表によるメディア企業向け研修実績
BANLI代表の竹市は、BANLI設立前に、広島ホームテレビ、名古屋テレビ、東日本放送において、全社を対象としたデジタルマーケティング研修の講師を務めました。研修には、さまざまな役職・職種の方が参加しました。
参加者からは、テレビ局、出版社、新聞社、SNSプラットフォームが、消費者の可処分時間を奪い合う構造になっていることを理解できたという感想が寄せられました。また、コンテンツ制作にアルゴリズムの視点を取り入れていなかったため、今後は企画・構成段階から意識したいという反応もありました。
埼玉県内企業のSNS全体設計については、埼玉のSNSマーケティング完全ガイドもご覧ください。YouTube活用を検討している方には、BtoB企業のYouTube活用法も参考になります。
SNS運用と経営層向け研修を相談したい方へ
SNS運用が伸びない原因は、担当者一人にあるとは限りません。株式会社BANLIでは、SNS運用に加え、経営層・管理職・現場担当者が共通理解を持つための研修についてもご相談いただけます。お問い合わせフォームから現在の運用体制をお聞かせください。


