SNS KPIの決め方|指標を増やしすぎず、投稿の目的ごとに評価する方法
- 1 日前
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SNS運用の数値を確認しようとすると、再生回数、リーチ、保存率、視聴維持率、フォロワー増加数、クリック数、問い合わせ数など、数多くの指標が並びます。すべてを追いかけようとした結果、数字を見る作業は増えたものの、結局どこへ向かえばよいのか分からなくなってしまう企業も少なくありません。
KPIとは、最終的な目標へ向かって進めているかを確認するための指標です。SNSでは確認できる数字が多いからこそ、目的に合わせて絞る必要があります。
SNS KPIを考えるときに大切なのは、指標を増やすことではなく、その投稿が何を目的としているのかを明確にすることです。認知拡大を狙う投稿と、購入や問い合わせを狙う投稿では、見るべき結果が違います。
この記事では、SNS運用のKPIを必要以上に複雑にせず、投稿の目的に合わせて評価する方法を、株式会社BANLIが実際の支援で得た事例をもとに解説します。
SNS KPIは数を増やすほど運用しやすくなるわけではない
KPIを細かく設定すれば、SNS運用を正確に評価できるように見えます。しかし、追うべき指標が増えすぎると、担当者はどの数字を優先すべきか判断できなくなります。会議では多くの数値を報告していても、次の投稿で何を変えるのかが決まらない状態になりがちです。
まず考えたいのは、SNSを使う目的が認知拡大なのか、購入や問い合わせなどのコンバージョンなのかという点です。ただし、企業のSNS運用では、どちらか一方だけを求めるケースは多くありません。認知も広げたいし、最終的には売上にもつなげたいというのが実情です。
そこで、アカウント全体を一つの目的に固定するのではなく、投稿ごとに役割を決めます。この投稿は認知拡大を狙うのか、それとも既に興味を持っている人の行動を促すのか。制作前にそれを決めておけば、投稿後に見るべき数字も明確になります。
SNS KPIは投稿の目的ごとに分けて考える
認知拡大を狙う投稿
認知拡大を目的とする場合は、まず再生回数やインプレッション数を確認します。普段の投稿よりも多く見られ、非フォロワーへのリーチが広がっているなら、プラットフォームから新しいユーザーへ推薦されている可能性があります。
ここで見る「非フォロワーへのリーチ」は、ウェブサイト外部からのアクセスという意味ではありません。Instagram、TikTok、YouTubeなどで、まだ自社をフォローしていない人にどれだけ表示・再生されたかという意味です。各プラットフォームで指標名は異なりますが、既存フォロワーの外へ広がったかを確認します。
BANLIでは、非フォロワーへの表示が広がっている状態を、視聴や反応が評価され、さらにおすすめされている良いシグナルの一つとして見ています。
フォロワー増加は、その先に起こる結果です。まずは通常の投稿と比べて再生回数やインプレッション数が伸びているか、その伸びが非フォロワーへの表示によって生まれているかを見ます。
購入や問い合わせを狙う投稿
コンバージョンを目的とする投稿では、再生回数の多さだけで評価しません。購入、来店、予約、問い合わせなど、狙った行動が実際に発生したかを確認し、必要に応じてコンバージョン数やコンバージョン率を見ます。
見込み客に深く届く投稿は、フォロワー外へ大きく拡散されなくても成果を生むことがあります。リーチが少ないことだけを理由に失敗と判断すると、売上に貢献している投稿を止めてしまう可能性があります。

評価期間を固定するより、同じ狙いの投稿を複数本見る
SNS運用では「2週間で評価する」「1か月で見直す」といった期間を決めることがあります。定期的に振り返る習慣は必要ですが、期間だけを基準にすると、投稿数や検証内容が揃わないまま判断することになります。
BANLIでは、同じ狙いを持った投稿を複数本出した後に、まとめて結果を見る考え方を重視しています。一つの目安として、同じ企画方針の投稿を5本出したなら、その5本の結果を比較します。
5本とも反応が弱ければ、表現を少し変えるだけではなく、企画の方向そのものを見直す必要があります。一方で、5本のうちいくつかに良いシグナルがあれば、その投稿に共通するテーマや見せ方を見つけ、次の企画で伸ばしていきます。
「5本」は、あらゆるアカウントに共通する絶対的な基準ではありません。大切なのは、日数だけで区切らず、同じ仮説で作った投稿が比較できるだけの本数を揃えてから判断することです。

認知拡大の良いシグナルを、次の企画へつなげた事例
珍しいレシピより、定番料理をおいしくする企画が伸びた
Instagramでレシピコンテンツを運用した事例では、当初、珍しく希少性のあるレシピも投稿していました。「こんなレシピがあるのか」と驚いてもらえる企画です。
しかし、複数の投稿を比較すると、より良いシグナルが出ていたのは、どの家庭でも日常的に作る定番料理を、さらにおいしく作る方法を紹介したコンテンツでした。そこで、企画の軸を珍しさから「大定番の料理を、よりおいしく作る方法」へ移しました。
この方向でシリーズ化したところ、複数のコンテンツが伸びました。その結果、レシピに関心のある30代から50代の女性フォロワーを多く獲得し、アカウントの成長につなげることができました。
この事例で見たのは、単発の投稿に対する好みではありません。再生回数とインプレッション数、さらに非フォロワーへの広がりを比較し、ターゲットがSNS上で実際に反応したテーマへ企画を寄せていきました。
レアカードが出る瞬間を逃さない制作体制へ変えた
トレーディングカードショップのSNSでは、さまざまな種類のコンテンツを投稿していました。その中で繰り返し良い結果が出ていたのが、カードを開封し、レアカードが出る瞬間を捉えた動画でした。
ただし、レアカードが出る瞬間を狙って撮影することはできません。そこで、企画を増やすだけではなく、カードを開封するときは原則としてカメラを回す運用へ変更しました。クライアントのスタッフにも協力してもらい、レアカードが出た場合は、その映像素材をBANLIへ共有してもらう体制を整えました。
偶然起きる価値の高い瞬間を、撮り逃さない仕組みに変えたのです。提供された素材をBANLIで編集して投稿することで、反応の良かった企画を継続できるようになりました。こちらもインプレッションの増加に加え、トレーディングカードに関心のあるユーザーをフォロワーとして獲得することにつながりました。

再生回数やインプレッションが伸びないときに見直す順番
認知拡大を狙った投稿が伸びなかったとき、BANLIでは主に「冒頭のフック」「企画テーマ」「動画のテンポ」の順に確認します。
最初に、冒頭のフックを見直す
現在のショート動画は、ユーザーがサムネイルを選んで再生するだけではなく、フィード上で次々とおすすめされます。そのため、動画の冒頭が実質的なサムネイルの役割を持ちます。最初の瞬間に続きを見たいと思われなければ、内容に入る前に離脱されます。
ただし、注意を引くことだけを狙い、実際の内容と異なるフックを付けるのは逆効果です。冒頭を見て期待した内容と本編が違えば、その時点で離脱が起こります。フックの強さと、動画内容との一致をセットで考えます。
次に、企画テーマそのものを見直す
見せ方を改善する前に、そのテーマをターゲットユーザーがSNSの中で見たいと思うかを考えます。自社が伝えたいテーマでも、ユーザーが見たいテーマとは限りません。
判断材料が足りない場合は、競合や同じ対象者へ発信するアカウントを観察し、どのテーマに反応が集まっているかを確認します。そのまま模倣するのではなく、ターゲットの関心がどこにあるかを見極めるために使います。
最後に、間延びしている部分を削る
ショート動画では、不要な間や長い合間があると、その数秒で離脱されます。情報が薄い部分を削り、テンポよく内容が進んでいるかを見直します。
冒頭で視聴を始めてもらった後は、次の1秒、さらに次の1秒も見てもらえる構成にする必要があります。一度に大きく変えるのではなく、どの場面で視聴が落ちているかを確認し、不要な部分を一つずつ減らしていきます。

リーチが少なくても、商品がすぐに売り切れた投稿
コンバージョンを目的とする投稿は、認知拡大とは違う基準で見る必要があります。ある路面店では、限定商品を発売した際に「本日の残りはあと何個です」と、XとInstagramのストーリーズでリアルタイムに発信しました。
この情報は、商品や店舗をまだ知らない人へ広く拡散される性質のものではありません。そのため、全体のリーチ数は大きくありませんでした。一方で、既に店舗へ関心を持っているフォロワーには、今すぐ行動する理由になる情報でした。
投稿を見たお客様がその後すぐに来店し、限定商品は短時間で売り切れました。再生回数やインプレッションだけを見れば、目立った投稿ではありません。しかし、購入という目的に対しては成果を出しています。
このような投稿を「リーチが少ないから失敗」と判断してしまうと、見込み客を動かすための発信ができなくなります。投稿の目的が認知拡大なら広がりを見て、コンバージョンなら購入や問い合わせを見る。同じアカウントの中でも、評価基準を分ける必要があります。
社内共有は、運用より重くしない
投稿目的や結果の共有方法は、企業ごとに続けやすい形で構いません。Googleスプレッドシートへ記録する方法もあれば、意思決定が速い組織ならチャット上のやり取りだけで十分な場合もあります。
避けたいのは、詳細な報告書や複雑なルールを作ること自体が目的になることです。管理に工数をかけすぎると、本来向き合うべきユーザーや見込み客へのアクションに使える時間が減ってしまいます。
最低限、社内で共通認識にしておきたいのは、各投稿が「認知拡大用」なのか「コンバージョン用」なのかという点です。ここが曖昧だと、購入を促す投稿に対して「インプレッションが少ないから失敗だ」と評価され、担当者と上司の間に不要な摩擦が生まれます。
SNS運用で成果が出ない企業に見られる組織内の認識差については、SNS運用で成果が出ない理由|経営層と現場のズレを生むアルゴリズム理解でも詳しく解説しています。
SNS KPIは、次の行動を決められる数だけ持つ
SNS KPIは、数多く設定することが目的ではありません。投稿の狙いに対して、結果が良かったのか、次に何を変えるのかを判断するために使うものです。
認知拡大を狙う投稿では、再生回数やインプレッション、非フォロワーへのリーチを見る。購入や問い合わせを狙う投稿では、実際のコンバージョンを見る。そして、同じ狙いを持つ投稿を複数本比較し、すべて弱ければ方向を変え、一部に良いシグナルがあればその要素を伸ばします。
管理のための管理を増やさず、得られた数字を次の企画と制作へつなげることが、SNSの効果測定では欠かせません。
株式会社BANLIでは、SNSの投稿企画や運用だけでなく、目的に合わせたKPIの整理、分析、改善まで支援しています。再生回数を伸ばすべきか、問い合わせや来店を優先すべきか判断できずにいる場合は、BANLIの無料相談からお気軽にご相談ください。


