企業のSNS運用を内製化するには?担当者選びと工数配分の考え方
- 11 分前
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SNS運用を内製化することになり、既存の社員へ「今日からSNSも担当してください」と役割を追加する企業があります。投稿頻度は決め、毎日更新できている。それでもアカウントがほとんど成長しないケースは少なくありません。
原因は、担当者の努力不足とは限りません。本業の量や評価制度を変えないままSNS業務だけを追加すれば、担当者は目の前の仕事を優先します。SNSでは、投稿ボタンを押す作業よりも、その前に行う調査、分析、企画、制作へ時間を使う必要があります。
BANLIがこれまで企業のSNS運用を見てきた中では、担当者の選び方と工数配分が合っていないために、更新すること自体が目的になっている事例がありました。
この記事では、SNS運用を内製化するときに、どのような担当者を選び、どれだけの時間を確保すべきかを、実際の事例をもとに解説します。
SNS運用の内製化は、担当者選びから始まる
SNS担当者を決める際、所属部署や業務上の都合だけで選ぶことがあります。しかし、担当者本人が日頃からSNSを利用しているかどうかは、運用を始めるうえで見逃せない要素です。
Instagram、YouTube、TikTokなどを日常的に見ている人は、どのような投稿が表示され、どのようなテンポや見せ方が使われているかを継続的に体験しています。プライベートでも投稿した経験があれば、企画を形にして公開し、反応を受け取るところまで理解しやすくなります。
一方、アカウントを持っていても見るだけで、自分では投稿したことがない人も少なくありません。その人がSNS担当者に向いていないと一律に決めることはできませんが、企画、撮影、編集、投稿、分析の一連の流れを、業務の中で一から学ぶ時間が必要です。
本業が忙しい人へ、SNS業務だけを追加しない
SNS担当者が別の本業を持っている場合、既存業務の量を変えずにSNS運用だけを追加すると、SNSは後回しになりやすくなります。
本業には、納期が決まった仕事や、その日に対応しなければならないタスクがあります。さらに人事評価が本業の成果を中心に決まるのであれば、担当者が本業を優先するのは自然な判断です。
会社からは「SNSも大切だ」と言われていても、仕事量と評価制度が変わっていなければ、実際の優先順位は上がりません。SNS運用の内製化では、担当者を任命するだけでなく、何の業務を減らし、SNSの成果をどう評価するかまで決める必要があります。

毎日投稿していても、更新することが目的になる
BANLIが確認したある事例では、投稿頻度そのものは保たれていました。しかし、発信していたのは、それまでの投稿を少し変えただけの、毎日よく似た内容でした。
ターゲットが何に反応しているかを調べず、企画を考える時間も取らないまま、過去の内容を使い回して種類だけを増やしていました。「SNSを更新する」という役割を果たすことが目的になり、アカウントを成長させるための検証がなくなっていたのです。
この事例のアカウントはフォロワー数が数十人で、Instagramリール、YouTubeショート、TikTokへショート動画を投稿していました。投稿はいずれも約200インプレッションにとどまり、コメントや「いいね」もほとんど付いていませんでした。
BANLIでは、この数値が複数の投稿で続いたことから、最初に表示されたユーザーの反応が弱く、その先へおすすめが広がっていない状態だと分析しました。約200インプレッションという数字は、すべてのSNSやアカウントに共通する合否基準ではありません。この事例で、同じ状態が繰り返されていたことを判断材料にしています。

SNS運用の仕事は、投稿する5分や10分だけではない
SNSの投稿操作だけなら、5分や10分で終わる場合があります。しかし、成果につながるコンテンツは、その時間だけで作られているわけではありません。
まず、自社の見込み客になり得る人が、どのような内容に反応しているかを調べます。自社の過去投稿や競合の発信を分析し、誰へ何を伝えるかを決め、企画へ落とし込みます。その後に撮影、デザイン、編集などの制作があり、公開後には数値を振り返って次の企画を考えます。
この一連の作業は、毎日1時間を確保するだけで十分とは限りません。特に内製化の初期段階では、担当者自身が調査と試行錯誤を重ね、社内にノウハウを蓄積する時間が必要です。
外部のSNS支援会社へ企画や制作を依頼し、自社の担当者がパートナーとの連絡や確認を担うのであれば、1日1時間程度で対応できるケースもあります。一方、調査から制作、分析までを社内で行う場合、同じ時間配分では仕事の中身がまったく異なります。

現実的な工数配分は、本業とSNSを半分ずつにする
理想は、SNS運用を本業とする専任担当者を置くことです。しかし、人員に余裕がなく、すぐに専任化できない企業も多いでしょう。
その場合、BANLIでは一つの目安として、本業とSNSの工数を半分ずつにする考え方を勧めています。単に「空いた時間でSNSも行う」のではなく、担当者の勤務時間のうち、SNSへ使う時間を正式に確保します。
SNS運用を外部へ依頼すると、支援内容によっては月額数十万円の費用がかかります。担当者の人件費の50%で内製できるのであれば、費用を抑えながら、社内へノウハウを蓄積できる可能性があります。商品や社内事情を理解した担当者が運用するため、企画や投稿を柔軟に変更しやすい点も内製化の利点です。
ただし、50%という数字はすべての企業に共通する正解ではありません。制作するコンテンツの種類、投稿頻度、撮影の有無、承認フローによって必要な時間は変わります。大切なのは、本業を100%残したままSNSを追加しないことです。
一人に工数を集め、複数人へ1時間ずつ分散しない
社内の負担を平準化するために、二人、三人の社員へSNS業務を分け、それぞれ一日一時間ずつ担当させる方法があります。しかし、内製化の初期段階では、この分担がかえって成長を遅らせる場合があります。
SNS運用を始めたばかりの時期は、一つのアカウントで試行錯誤を繰り返し、何が良く、何が悪かったのかを深く理解する必要があります。担当者を一人決め、その人へまとまった工数を割り当てた方が、企画と数値の関係を継続して学びやすくなります。
複数人が少しずつ関わる体制は、作業を効率よく流すことへ意識が向きやすくなります。一つの投稿へ複数人が部分的に関わると、そのコンテンツを自分の責任で改善する意識も持ちにくくなります。
一人の担当者が調査から分析までを持てば、投稿の結果が自分の次の判断に直接つながります。成果に対する責任と評価が明確になり、コンテンツへ熱量を注ぎやすい体制になります。

アカウントが成長してから、二人目、三人目を増やす
一人へ役割を集中させることは、永続的に一人だけで運用するという意味ではありません。アカウントが成長し、SNSを事業でさらに活用する段階になれば、撮影、編集、分析、コミュニティ対応など、必要な仕事も増えていきます。
最初の担当者にノウハウが蓄積され、企画と改善の流れが社内で再現できるようになってから、二人目、三人目を加えます。最初の担当者が判断基準を共有できれば、人数を増やしても単なる流れ作業になりにくくなります。
内製化の初期は、一人へ学習と判断を集める。成長後は、蓄積したノウハウをもとに役割を広げる。この順序で体制を作ることが、人数だけを増やして責任の所在が曖昧になる状態を防ぎます。
SNS運用の内製化は、仕事を追加することではない
企業がSNS運用を内製化するとき、担当者を決めて投稿頻度を設定するだけでは不十分です。日頃からSNSを使い、投稿や制作への関心を持つ人を選び、その人が調査、企画、制作、分析へ向き合える時間を確保する必要があります。
毎日投稿できていても、内容が過去投稿の焼き直しになり、反応が弱い状態が続いているなら、投稿本数を増やす前に体制を見直すべきです。本業をそのまま残してSNSだけを追加していないか。複数人へ短時間ずつ分散し、更新作業だけを流していないか。SNSの成果が担当者の評価に含まれているかを確認します。
理想は専任担当者を置くことですが、難しい場合は、本業とSNSの工数を半分ずつにするところから検討できます。一人へまとまった時間と責任を渡し、社内にノウハウが蓄積されてからチームを広げます。
株式会社BANLIでは、SNS運用の企画や制作だけでなく、社内で継続できる担当者の選定、工数配分、分析と改善の進め方まで支援しています。SNS運用を内製化したいものの、現在の体制で継続できるか判断できない場合は、BANLIの無料相談からご相談ください。


